口上
一座高うはござりまするが、これより口上をもって申し上げ奉りまする。まずは、いずれも様方のお健やかなる御尊顔を拝し、恐悦至極に存じ奉りまする。
さて、このたび松竹ナカヤマ会長のお勧め、諸先輩方のお許し、また関係者各位の御承認を得まして、Webサイト『葱嶺郷韓噺 たじきすたんいこくばなし』開設の運びと相成りましてござりまする。
思い起こせば初めてこの国に足を踏み入れましたのは、今から13年前、1994年のことでございました。当時は、内戦中のことでもあり、一般市民の経済状況は非常に悪く、日々の食事にも事欠くような状況であったと記憶してござりまする。その後、10年を経てこの国を再訪し、さらにこの国で生活するようになるとは、夢にも思わなかったことでござりまするが、これも運命の悪戯かと存じておりまする。
我が師匠、久松屋小男次の伯父様を始め、紀井ノ坂弘太郎のお兄さんや彦山智右衛門のお兄さんらの御指導のもと、これまで十数年にわたりこの地域と関わり続けておりまするが、これも何かの縁と存じ奉り、一念発起、Webサイト開設の運びと相成った次第にござりまする。このような次第に相成りましたのも、いずれも様方の御支援の賜物と、厚く御礼申し上げ奉りまする。
このWebサイトを通じまして、これまで我が国ではあまり知られておりませんでしたタジキスタンにつきまして、御見物の皆様方に広くお親しみいただきますよう芸道に精進する覚悟にござりますれば、何卒いずれも様におかれましては、これまで以上の御贔屓お引き立てのほどを、ひとえに御願い申し上げ奉りまする。